【blog/コミックレビュー】バトルスタディーズ(30)

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【blog/コミックレビュー】バトルスタディーズ(30)

『バトルスタディーズ』(公式サイト)は、モーニングで連載中の高校野球漫画です。

世に知れた高校野球漫画というと、古くは御大・水島新司先生の不朽の名作『ドカベン』、やや緩い(野球以外の比重も大きい)作品だと『タッチ』や『H2』、最近なら漫画もアニメも大当たりした上続編も出来た『MAJOR』などがありますが、それでもこれまでに自分が読んだ中では上位三傑から外れることは多分ないんじゃないかという作品です。

そもそも作者が現在は休部中のPL学園野球部出身(甲子園出場経験者)ということで、リアリティがずば抜けてるんですよ。

作中の”DL学園(=PL学園)野球部”の内部事情について、YouTubeで著名OBのコメントを拾い集めて判断する分には、これでも緩すぎるという部分があるらしいですが、体育会の内輪のリアリティの度合いは野球本線の創作には必ずしも大きな影響を与えないですからね。

(レベルの高い)高校野球経験者なら恐らくはあるある、未経験者であればへー、そういうもんなのかというワンシーンが随所にちりばめられていることも作品の持つ大きな魅力ではあるのですが、やっぱり最大の強みはDL学園(=PL学園)野球部が中心となっているあたりです。

かつて高校球界のど真ん中にいた、イコール高校野球みたいな部分を持っていたチームの一つであっただけに、作中そこかしこが”甲子園レベルの高校野球をする野球部の日常”で満たされています。

なので、DL学園と強豪校との試合がある度「なんかこの漫画、マジですげえ」となるんですね。

ということで、どんなきっかけで読み始めたのか忘れましたけど、お試しで読んだその瞬間からのめり込んで、今では一番楽しみな野球漫画となりました。

30巻は主人公たちの夏の甲子園終了後、新チームが始動してからの初の練習試合と、新キャプテンをめぐる人間模様がテーマなのですが、代替わり早々、新チーム結成早々、早くもキャプテンを中心にチームがぶっ壊れます 笑。

ちなみに隙あらば部員同士がもめる(時に殴り合いのケンカ発生)という展開は、『バトルスタディーズ』では割とあるあるの展開だったりするので、これも今さらの展開だったりはするんですね。

そこそこ強い程度のチームだと、代替わり後って「これからはいよいよ俺らの時代だぜ!」みたいないい感じになってスタートダッシュかませる、強いて言うならその空気が心身のバテと共に歪み始めるのが春先(新年度の公式戦開始前)とかになりがちじゃないかと思うのですが(チームの目的やお互いの立場を察し合った馴れ合い? めいたコミュニケーションが徐々に惰性化してくる、そこにひずみが生じるってことですよね)、DL野球部の場合、部員一人一人のあくが強すぎることが理由となって、何かあるとほぼいきなり方々がきな臭くなるなんて展開が結構あります。

ただし、何かにつけて一筋縄ではいかない、ささいなことで簡単に一触即発となっても、個々で見るとほぼチーム全員が貪欲で向上心の塊なので、ぶつかろうがこじれようがもめようが、なんだかんだでチーム自体は前に進んでいくわけです。

誰かがキレても誰かが冷静だし、誰かがボロボロになっても誰かがピンピンしている(しかも個々の選手としてのレベルは世代最強付近)、リーダー格がやる気を無くしたときにはサブがけん引するという”チームワーク”、普通のチームじゃまずありえないことだろうとは思いますが、だからこそ面白いというのもまた『バトルスタディーズ』の魅力なんですよね。

30巻では、これまでひたすら(特に試合内での)厳つい部分だけが求められていた、檜と並ぶWエースの阿比留がチーム内の空気の細かい機微をかぎ分けるようなポジションに居座ったり(不器用な言動ながらも”弱きを助け”的な厳つさは正直かなりカッコイイです)、逆にこれまで優遇され過ぎてきた嫌いのある元キャプテン兼主人公の狩野が憎まれ役に転じたりしています。

その他にも、選手としては最も影が薄いところにいた丸井がキャプテンになったあとの迷走とか、「補欠組」同士が険悪な雰囲気を醸したりする話が出て来たりと、「次の甲子園」に向けた調整開始感がとても強い巻となっています。

ここ自体を何度も繰り返し読みたくなるというよりは(それは、最近の巻だと28巻までの展開です)、この先が気になって仕方ないというパートですね。

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